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Standing Up to Uncle Sam by Naomi Klein /アンクル・サム(Uncle Sam)に立ち向かう ナオミ・クライン

Published on Thursday, March 27, 2003 by the Globe & Mail/Canada

Standing Up to Uncle Sam
by Naomi Klein


English text is here:
www.commondreams.org/views03/0327-05.htm



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3月27日(木)Globe & Mail紙/カナダ

アンクル・サム(Uncle Sam)に立ち向かう
ナオミ クライン



子供の頃の私には、おじいちゃんおばあちゃん、おばさんおじさんやいとこたちはアメリカのあちこちに住んでいるのに、なぜうちの両親と兄弟がモントリオールに住んでいるのかがよく分かりませんでした。ニュージャージーやペンシルバニアに住む親戚を尋ねるための長い車での移動の最中、両親は私たちに1960年代後半のベトナム戦争のことや、カナダ国境を密かに渡った何千人ものアメリカ人平和活動家のことについて話したものでした。

私はカナダ政府が、その戦争の間、公式に中立を保っただけでなく、不当と信じる戦争を戦うことを拒んだアメリカ市民の避難所を提供したと教わりました。母国では徴兵のがれと罵られた彼らは、カナダでは良心的兵役拒否者として歓迎されました。

私の家族がカナダに移住することを決めたのは、私が生まれる前でしたが、このロマンチックな話の数々は、それを受け流すには幼すぎる私の心に植え付けられました。私はカナダが、アメリカのそれとは根本的に異なる世界との関係-文化の類似や地理的な近接にも関わらず、より思いやり深く、取引に対する干渉度の低い関係-を持つのだと信じました。簡単に言えば私は、私たちが一番と思っていたのです。

それ以来、私はこの子供的な(子供っぽいと呼ぶ人もいるかもしれませんが)信条を裏付ける証拠を探してきましたが、成果はあまりあがりませんでした-先週、カナダの外交政策が、ベトナム戦争以来最も鋭角的にアメリカに背を向けた時までは。

60年代にもそうであったように、アメリカの侵略に対するカナダの姿勢は偽善に満ちたものでした。31人のカナダ兵がペルシア湾で、アメリカおよびイギリス軍の中で交換兵として従事していますし、同地域には3隻のカナダ軍艦を配置しています。ジャン・クレティエン首相は、彼らがそこにいるのは、カナダが支持する旧モデル「テロとの戦争」の一環であり、新モデルのイラク戦争のためではないといっています。前者は後者として正式に再送されていたにも関わらず(私たちはいつもこの手のやり方にはついていけません)。

しかし注目すべき事実は残ります。数十年間にわたりアメリカの主な軍事行動に追従してきたカナダが、この戦争は支持していないのです。「気に入らない政府を取り替え始めたとしたら、どこでやめられるのか?」クレティエン氏は問いました。同等に注目すべきは、メキシコのビセンテ・フォックス大統領の姿勢です。やはり慎重な表現の中で、彼もまた、「我々はこの戦争に反対する」と明言しています。

これらの穏やかで、注意深い、あいまいでさえある拒否は、ヨーロッパや中国、およびアラブ世界からの政治的大言壮語の中において、特に見ものであることのようには見えません。しかし、カナダおよびメキシコの決意は、アメリカ略奪帝国にとって、海の向こうから来る叫び声全てよりも、はるかに重大な難問となり得ます。

結局のところ、ヨーロッパやアラブ各国が敵対することは、ほぼ予測されていたことです。しかし、カナダとメキシコはどうでしょうか?私たちは友好国以上、戦略上の同盟国以上なのです。私たちは衛星国であり、アメリカの延長であり、その前庭と裏庭で、安い労働力(メキシコ)と安いエネルギー(カナダ)を供給し、そして、もちろん無条件の支持であるわけです。私たちは、同じチーム、チームNAFTAのメンバーだということになっているのですから。

このことが、カナダとメキシコがアメリカの戦争に立ち向かっている事実が-なるべく関心を引くことを避けようとしていますが-非常に意義深いことにしています。どの帝国も、生き延びるためには植民地が必要です。経済的な依存が相当高く、軍事的な力が相当弱いため、独立行動を考えることさえできないような国々のことです。

ワシントンの直近の隣国、最大の貿易相手国に対して、これらの恐怖と従属を確固たるものにしてきたことが、NAFTAの偉大な業績です。自らが雄弁に語るところによると、カナダの88%とメキシコの86%の輸出は直接アメリカへ向けられています。仮にアメリカが報復として国境を閉ざせば、カナダとメキシコ経済は一夜にして崩壊します。

これらの利害関係の元、John Ibbitsonは先週この新聞紙上で ジョージ・W・ブッシュのイラク攻撃の合法性について毅然と問うた国会議員の無謀を激しく非難しました。「もしあなたが、アメリカへの物品やサービスの自由な流通に依存する仕事に従事している何百万人のカナダ人の一人であるとしたら、憤りを感じるでしょう。」言い換えれば、国際法に関する崇高な理念はヨーロッパにまかせておけばよい-私たちには、間に合わせなければならない車の部品のお届けがある、というわけです。

さて、しかし、どうしたことか、私たちの極度の経済依存や報復への恐怖にもかかわらず、優勢多数のカナダ人、メキシコ人は、この戦争に反対する我々の政府を支持しています。この勇気は一夜にして生じたのではありません-これは私たちが育んできたものです。ブッシュ政権がその時々に、軽視しているものです。

9・11の後、ワシントンは突然、メキシコで何の保護もなく働いている未記録のメキシコ人を合法化する計画を忘れてしまいました。これは、本国でのフォックス氏の人気に深刻な打撃を与えました。アメリカはメキシコ国境をカナダ化するのでなく、カナダ国境をメキシコ化するという選択をしました。アメリカが脅威であると決めた国で生まれたカナダ市民にとって、アメリカに入国することは、全員が写真と指紋を提出させられるという、屈辱的な作業になりました。

他にもこの新しい勇気を率いる要素はあります。「自由貿易」政策が、あまりにも多くの約束を履行せず、どんどん不人気になっているため、取引関係を危険にさらすのはさほど難しいことではないのです。先週、ワシントンポスト紙は、NAFTAが調印され、メキシコが貿易量を3倍近くまで伸ばしている間に、20年前と比べ貧窮者の数が、1,900万人増加したという、強烈な貧困の急増があったことを伝えました。

メキシコとカナダがイラクに関して独自の姿勢を示すことを決定した今、注目すべきことが起こっています。それは、何も起きていない、ということです。報復どころか、非難一つすらないのです。ただ駐カナダアメリカ大使が「失意」を表明しただけです。

そしてこのことが、カナダとメキシコの立場の重大性を物語っています。すべての帝国は-どれほど強大であろうと-また弱くもあるのです。巨大な力が、飽くなき要求、慎重に隠された資源、労働力から軍事基地のための土地にいたるまでの植民地への依存を覆い隠しているのです。

ワシントンの最も忠実な追従者が、1国ずつ恐る恐る立ち向かってゆくのを目にし、私たちが彼らを必要としているだけでなく、彼らが私たちを必要としていることに気付かされます。カナダとメキシコは単独では使い捨ての存在かもしれませんが、しかし合同ではどうでしょう?そうなると話は全く異なってきます。2国は、合計するとアメリカの輸出市場の36%を占め、またアメリカに正味36%のエネルギーと石油輸入の正味26%を供給しています。指導者たちがそうであればと願って止まないことですが、アメリカは島国ではありません。カナダとメキシコの助けなしには守ることが不可能な、12,000kmの国境を共有しているのです。

たぶんこれらの数字は、合算してはいけないことになっているのでしょう。NAFTAは実際には三国間の協力関係では全くなく、両側の2つの取引協定-アメリカとカナダ間のものと、アメリカとメキシコ間のもの-を適当にくっつけたものと言ったほうが近いのです。アメリカが島国であって、どの国にも依存していないかのように振る舞っても、結局は、ある地域に共存しているという現実が明らかになってくるにつれて、これが変化しつつあります。海の向こうでは、アメリカは軍事的勝利に満ちた航海をすることができるかもしれません。しかし本国においては、国が取り囲まれていることが突如として意識されます。

ヨーロッパが新時代の帝国主義の高まりに警告を与えている間に、私たちが北アメリカで目撃していることは、皮肉にも正反対のことなのです。超大国の驚くべきもろさや、危険なほどの依存です。アメリカは、国連なしでも生きのびることはできるでしょうし、フランスがなくてもなんとかなるでしょう。しかし、地球と離反すれば、自国民を経済的、物理的に保護することができないのと同様、メキシコとカナダの助けなしにもやっていけないのです。

このことが具現化してゆけば、大規模な影響力をもつでしょう。なぜなら全能の帝国は、忠誠な植民地なしには成り立ち得ないからです。


ナオミ・クラインはNo Logo、Fences and Windowsの著者です。

© 2003 Bell Globemedia Interactive Inc
 
 

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